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【同盟弱体化】第3部 迷走のツケ(上)「総理 なぜ決断できぬ」(産経新聞)

 「なぜ腹を固められないのですか!」

 20日午後、官邸の首相執務室に防衛相、北沢俊美の怒声が響いた。北沢は右手でドンとテーブルをたたき、首相、鳩山由紀夫に「決断」を迫った。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題の対米交渉が大詰めを迎える中で、鳩山、北沢のほか、官房長官、平野博文と外相、岡田克也、国土交通相、前原誠司の関係閣僚がテーブルを囲み、対応策を協議していた席でのことだった。

 「最低でも県外」と言い続けてきた鳩山は、米国との合意文書に移設先を「(同県名護市)辺野古周辺」と書き込むことに慎重で、「沖縄本島東海岸」とあいまいな表現にとどめることにこだわり続けた。

 「政治家にはリスクをとらざるを得ない場面がある」

 そうたたみかけた北沢の粘り強い説得に鳩山も最終的には同意。23日の沖縄訪問で、初めて移設先を「辺野古」と明言した。

 日米両国の当局者間では、移設先は「辺野古以外にない」というのが「常識」だったが、鳩山は8カ月間、迷走を続けた末に結論に達した。なぜ、ここまで時間がかかったのか。

 安全保障問題に詳しい民主党中堅議員は嘆く。

 「政権にとり最重要課題でありながら、普天間問題に取り組む態勢がまったくなっていなかったからだ」

                   ◇

 「脱官僚依存」の政治を掲げて発足した鳩山内閣。普天間問題でも「政治主導」路線を敷いた。鳩山は辺野古沿岸部にV字形滑走路を建設する現行案での決着を模索する外務、防衛両省と距離を置いた。とりまとめの中心となったのは、外交・安保問題に詳しくない平野だった。

 平野は昨年12月、社民党、国民新党と具体的な移設先を協議する「沖縄基地問題検討委員会」を立ち上げ、週1回のペースで会合を重ねた。だが、出席者からは時間稼ぎのための関連資料提出要求が相次ぎ、さながら「官僚いじめ」の様相を呈した。安全保障上の戦略的議論も深まらないまま、与党間の意見集約もできなかった。

 政府関係者は「首相をはじめ不動産物件を探すような感覚で移設先を探していた」とあきれ顔で話す。

                   ◇

 鳩山は政務秘書官や民間の専門家も重用した。

 鳩山は4月の訪米で同行した政務担当の首相秘書官、佐野忠克(ただかつ)をワシントンに残し、米国務副長官ジェームズ・スタインバーグと会談させた。4月下旬には軍事評論家の小川和久を呼び、米側との接触を要請。小川はただちに訪米し、国務省日本部長、ケビン・メアらと会談した。

 この間、米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)への統合案、米軍ホワイトビーチ(同県うるま市)沖合埋め立て案などが浮かんでは消えた。いずれも過去に日米間で検討はされ、見送られた案ばかりだった。

 鳩山が最後までこだわったのは鹿児島・徳之島への普天間の一部機能移転だった。「県外」とアピールできるからだったが、米側は「海兵隊の運用上無理がある」と一顧だにしなかった。辺野古以外、鳩山には選択肢は残っていなかった。

 沖縄訪問から一夜明けた24日朝、鳩山は記者団に強弁してみせた。

 「辺野古ということでありますが、現行案ではありません」

                   ◇

 ■「これ以上、こじらせられない」

 「もう少し時間がほしい」

 首相、鳩山由紀夫は4月12日の米大統領バラク・オバマとの非公式会談で、6月以降の協議継続を持ちかけた。オバマから明確な回答は得られず、鳩山は政務担当首相秘書官、佐野忠克(ただかつ)に米側との協議を託した。

 佐野は米国務副長官、ジェームズ・スタインバーグらに、米軍の訓練を鹿児島・徳之島などに分散移転して、沖縄の負担軽減を図るとの鳩山の「思い」を伝えた。米側の反応は厳しかった。「オバマ大統領に直談判すればなんとかなる」との甘い期待を持っていた鳩山は現実の壁にぶち当たった。

 鳩山は米国からの帰国後、周囲に漏らした。

 「これ以上、自分が普天間問題をこじらせるわけにはいかない」

 4月23日、外相、岡田克也と駐日米大使ジョン・ルースの会談で、外務・防衛当局による実務者協議を始めることで合意した。岡田は防衛相、北沢俊美とともに昨年末から現行案決着を主導している。辺野古への移設は事実上、この時点でレールが敷かれた。

 ただ、鳩山は現行案以外の道にこだわった。24日も記者団に「環境面には徹底的に配慮するという新しい形をなんとしても作り上げて参りたい」と述べた。

 鳩山に近い外交専門家は心境を解説する。

 「半年以上もやってきて『現行案に戻っただけ』では『鳩山は何もやってこなかった』と批判される。訓練移転や環境面への配慮により、現行案とは違うものになったことを印象付けたいのだろう」

 もっとも、平成18年5月の在日米軍再編に関するロードマップ(行程表)には、普天間の代替施設に関し「安全性、騒音および環境への影響という問題に対処する」との一文がある。ロードマップ策定後、政府が閣議決定した普天間問題への取り組みにも「自然環境の保全に留意し進める」と明記している。

 鳩山の言う「環境面に徹底的配慮」との新方針は、現行案を作った段階ですでに既定方針だったのだ。

                   ◇

 実務者協議で、米側は環境影響評価(アセスメント)のやり直しに強い難色を示した。これまで3年近くに及んだ現行アセスをやり直すとなると、移設完了は日米が合意した平成26年よりも大幅に遅れることが確実となる。

 米政府関係者は「移設のメドが立たないまま、普天間でヘリの事故がまた起きたら、沖縄の基地反対世論は一層燃え上がるだろう」と懸念を示す。

 米側には譲歩できない事情があった。米議会の一部から、具体的な移設計画のとりまとめを10月から始まる2011会計年度予算までに間に合わせるようにとの声が出ているからだ。

 実務者協議で米側は「8月までに詳細な計画を決められなければ、現行案に戻すべきだ」と求めた。

 北沢は5月中旬、安保専門家につぶやいた。

 「アセスを現行のままでやるしかないな」

                   ◇

 4月中旬、政府高官が各省庁に鳩山政権の半年間の「成果」を集約した文書の作成を指示した。

 「政権発足6カ月の中間リポート(政権交代の目に見える成果)」と題した文書は、「新しい政治への転換」「無駄遣いの徹底した排除」など5章立て。子ども手当の実現や記者会見のオープン化など約30項目の“実績”が掲げられた。

 しかし「内政」分野に偏り、「外交」分野では「東アジア共同体の推進」が盛り込まれた程度だ。普天間問題はもちろん、日米関係も触れられていない。文書作成にかかわった官僚の一人は「とてもじゃないが日米関係は『成果』に盛り込めなかった」と語る。

 また、ある省の幹部は「わが国には中国のような戦略的観点に基づく世論戦を展開するとの視点が欠けている」と指摘する。

 この幹部は4月上旬、中国海軍艦隊が沖縄本島と宮古島の間を通過し、太平洋で行った大規模演習に関する日中の対応を引き合いに「一党独裁の中国のほうが、軍、政府、党などそれぞれのレベルで世論戦を展開しやすいが、鳩山政権は普天間問題でもそうだが世論を味方につける戦略がない」と批判する。

 迷走に迷走を重ねた鳩山政権。失った信頼を回復するのは容易でない。普天間問題に深く関与した元防衛省幹部は強調する。

 「沖縄県はあの手この手で作業の遅れを図るだろう。辺野古への移設を決断したのだから、早期に実行に移す覚悟を持たないといけない」)

                   ◇

 鳩山首相が「辺野古」への移設を明言したことで、普天間問題は新たな局面を迎えた。首相が自ら定めた5月末の決着期限を目前にした動きを報告する。(敬称略)

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